遺伝学的に見るヒトの寿命
近年、ゲノムの解析により生物学的なヒトとしての寿命は37年であることが分かっています。現代における日本人の平均寿命が84歳であることを考えると信じられないくらい短命ですよね。だけど日本人の平均寿命が著しく向上したのはごく最近の話。江戸時代における日本人の平均寿命は30年、室町時代は15年…つまり数100年前まではゲノム解析の結果に近い37年説が現実味を帯びてくるのです。
とりわけ戦国時代においては戦闘によって若いうちに命を失うことが多く、少なくとも「ワァー」とか言いながら最前列で馬に乗って突撃していった部隊の大半はかなり序盤で亡くなっておられるかと思います。太平洋戦争中も日本人の平均寿命は著しく低下しており、これらは10代〜20代半ばの若い世代が特攻機で多くの命を落としていることに起因しています。
ヒトは文化をもち他者と意思疎通を行うことでかろうじて争いを避けることができるのですが、地球上における人間以外のほとんどの生物は基本的に弱肉強食です。つまり常に戦闘状態!食うか食われるかの厳しい世界において寿命を全うできる個体のほうが珍しいのです。
ヒトの平均寿命が著しく向上したのは抗生物質の発見からと言われています。これにより多くの不治の病が不治ではなくなり、薬を摂取するだけで多くの病を克服出来るようになりました。
考えてみて下さい。今からたった100年前にタイムスリップしたとします。そこで風邪をひいたら薬ではなく薬草のような煮汁のような何かを飲めと言われます。熱が出ても解熱剤なんてありません。虫歯になっても治療なんかできません。滝廉太郎は結核を患って23歳という若さでこの世を去りましたが、現代では薬(抗生物質)を摂取するだけで結核を治すことができます。あと数十年もすれば薬を飲むだけで癌を治せる時代がくるとも言われています。生きていく時代って本当に重要ですよね。
ヒトは35歳〜37歳にかけて著しく老けが進行すると言われていますが、これは自然界におけるヒトという存在が37年以上生きることを想定していないからなのかもしれません。人の平均寿命が著しく向上したのは人類の歴史上つい最近のことですから。


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